「……変なことってなに?」
そう言ったユウの顔はまだ不機嫌そうに歪んでいた。
そんなに怒ったって、もう機嫌なんて取らないからね。
わたしは都合のいい女からは卒業するんだもん。
「橋本先輩はいい人なのに!」
「は?どこが?」
怒った口調でユウは言うと、わたしの腕を掴んで空いていた教室へと連れ込んだ。
「ちょっと痛い……!離して……!」
必死の抵抗も虚しく、入ってすぐにドンっとドアに押し付けられた体。
こんなユウは前にも見たことがある。
「俺にしかドキドキしちゃダメだって言ったのに。しかも俺からもらったシュシュつけて他の男と話すなんてほんと悪い子だね」
「いや……それは不可抗力っていうか、そもそもわたしが誰にドキドキしようが別にいいでしょ」
ユウはわたしの彼氏でも何でもないんだから。
ただの幼なじみ。
それ以上でもそれ以下でもない。



