すごく睨まれてることも、みんなからヒソヒソ悪口を言われてることもきっとユウは何も知らない。
まあ、別にわたしも気にしていないけど。
「そんなんだとまた振られちゃうよ」
「別にいいよ」
なんなんだろう、この男は。
甘いのか、冷たいのか全然わからない。
例えるのなら、カフェオレのようだ。
甘いけど苦い。
よくわからない人。
「ちゃんと大事にしてあげないとダメだよ」
「美蓮、なんかお母さんみたい」
「んじゃあ、お母さんに抱きつかないで」
「それは無理かな。だって美蓮の匂い落ち着くから」
それじゃあ、本当にお母さんみたいじゃん。
わたしはいつになったら幼なじみ以上になれるんだろう。
「はいはい。ご飯にするよ」
「仕方ないな」
そういって、ユウはわたしから離れた。
ふわっと鼻をかすめる、甘めな柑橘系の香水の匂い。
わたしの大好きな香り。
わたしの体にユウの香りが残っていることに喜んでいることは彼にはバレないようにしておかないと。
テーブルに盛り付けたばかりの料理を置く。
そして、向かい合って席に着く。



