「はやく出ていってよ」

「美蓮」


甘く心地の良い声がわたしの名前を呼ぶ。

そして、瞳をジッと見つめ、捉えて離さない。


「な、なに」

「かわいいパジャマだね」

「っ、」


そういって、パジャマを袖をグイッと軽く引っ張った。

朝起きてユウがいるなんて予想していなかったから、ピンクのパジャマを着ている。

こんなの恥ずかしいよ。
ていうか、なんでユウにパジャマ姿なんて見られなきゃいけないの。


「なんか美蓮のパジャマ姿、そそられる」

「はぁ!?」

「襲いたくなっちゃうから早く着替えてよ」

「な、何言ってんの……!」


まだ朝ですけど!?って、いや、深夜でもダメだけどね。


「そっちこそ、襲われたいの?」

「そんなわけないじゃん!」

「じゃあ、はやく着替えないと食べちゃうよ」


た、食べちゃう!?

本当にユウの頭はどうなっているんだろう。

朝からそんなこと言って……。
全国の男子高校生ってみんなこんな感じなのかな?