「ほんとイライラする。美蓮ちゃんのくせにムカつく」
どういうこと?なんでユウは怒っているの?
わたしは何も悪いことしてないのに。
「まじでその生意気な唇、塞いでやりたい」
そう言ったユウの表情はまだ不機嫌だった。
今のユウなら本当にやりかねない。
そう思ったわたしはユウの人差し指を退けた。
「ユウには関係ないでしょ」
「ある。美蓮ちゃんのことならあるんだよ」
「そうやって“ちゃん”付けして本当は遠ざけたいくせに」
「本気で遠ざけたい相手にこんなに俺が執着すると思う?そんなこと美蓮ちゃんが一番知ってるでしょ」
確かにユウは他人に干渉することはない。
極度のめんどくさがり屋で、嫌いな人はとことん嫌いで、興味のない人は関わりもしない。
そんな人だからこそ、本当の性格はわかりやすい。
悔しい。ユウにすべて見破られているなんて。
「……知らないよ」
「嘘つき。知ってるくせに」
「嘘じゃないもん」
「美蓮ちゃんが目合わせない時は嘘ついてるから」
ほら、そうやって全部見抜くくせにわたしの気持ちには気づいてくれない。
いや、もしかしたら気づいているのかもしれない。
それでも何もないなら本当に脈なしで諦めた方がいいのかもしれない。



