幼なじみはわがまま。



「顔真っ赤じゃん」


そういって、わたしの鼻をツンツンと人差し指でつつく。


「う、うるさい……」

「美蓮、ほんとかわいいね」

「彼女に言いなよ」


ユウはわたしとふたりきりのときだけとびきり甘い。

普段の学校生活では冷たいからこそ、この時間がとても好きになってしまっている。

ダメだって分かっているけど、やみつきになってしまっている。


「やーだ」

「なんで?好きなんでしょ?」

「まあ、美蓮には負けるよ」


じゃあ、なんでわたしの方を振り向いてくれないの?


なんでほかの女の子と付き合っちゃうの?

わたしのこと好きじゃないなら惑わせないで。


「はあ、浮気者は嫌われるよ」


わたしは再び前を向いて、料理をお皿に盛り付ける。


「美蓮は俺のこと嫌い?」

「嫌いじゃないけど……」


好きすぎて困ってるくらいだよ。

なんて、口が裂けても言えない。


「んじゃあ、いいや」

「何がいいのよ」

「美蓮に好かれてるなら問題ない」


いやいや、大アリだよ。

いつもそうやって呑気にしてるけど、彼女がわたしのことどんなふうに見てるか知らないんだろうな。