一時間くらい寝たらマシになるかな。

そういえば、今日……ユウいなかったなぁ。

また寝坊かな?


こんなときでユウのことを考えてしまう自分に呆れながら保健室の扉を開けた。

あいにく、保健室の先生はいないみたいだ。

まあ、すぐ戻ってくるだろうし少し寝かせてもらおう。


そう思いながらベッドに向かおうとしたときにカーテンのしまったベッドのほうを見て、カーテンの隙間から見覚えのある男の子が眠っていた。


思わず、足を止めて無意識にカーテンに手を伸ばしその男の子に近づいていた。

わたしを寝不足にさせた張本人……ユウ。


スースーと寝息をたてながら気持ちよさそうに眠っている。

わたしが昨日どれほど眠れなくて困ったかなんて知らないくせに。ムカつく。


開いた窓から吹き込む風でわたしたちの髪がなびく。


普段はそんなにじっくり見ることのないユウの顔を今日はジッと見つめる。目が離せなくなるほど、整っている。


長く色素の濃いまつ毛、大きくて羨ましいくらい二重幅の広い目、スッと筋の通った鼻、健康的な色をしたピンクの薄っぺらい唇。


そのすべてがわたしの心を捉えて離してくれない。