ユウはわたしにあんなことをしておいて連絡は一切無し。
どうせ、悪いことをしたなんて自覚ないんだろうなあ。
「ちょっとまって。その首筋にあるのって……」
そういって、葉月はわたしの首筋にある“なにか”をじっくりとみる。
え、なにかついてる?
今日に限って眠過ぎて鏡なんて見ていない。
「なに?!」
「昨日、先輩になんかされた?」
「ううん。普通に話して帰ったよ」
「じゃあー……広瀬くんとは何かあった?」
なんで、わかるんだろう。
図星をつかれて思わず言葉に詰まったけど、すぐに言葉を返した。
「あったよ。いつものユウじゃなかった。なんかオオカミみたいだった」
そんなユウでさえ、かっこいいと思ってしまっているわたしはかなり重症なのだと思う。
「なるほどね。絆創膏もってる?」
「持ってるけど、葉月怪我でもしたの?」
「違う違う。一枚ちょうだい」
「どうぞ」
ポーチから取り出した絆創膏を葉月に渡すと、ビリビリとめくってわたしの首筋にピタッと貼り付けた。