「知らない」

「ムカつく。美蓮のくせに生意気」

「別に生意気でもいいもん」

「ほら、そーいうとこ」

「ユウには言わたくない」

「うるさい。その口塞ぐよ?」


ふ、塞ぐとか意味わかんない。

彼女がいる身でそんなこと言っちゃダメだよ。

わたしなんかに興味もないくせに。

淡い期待だけさせないでよ。


「なにいってるのかわかんない」

「じゃあ、おバカな美蓮のためにわからせてあげる」


そういうと、ユウはわたしの首筋に顔を埋めた。

ちゅ、と短いリップ音とともにピリリと首に痛みがはしった。


「痛いっ……なにしたの?」


痛いことなんてしないでよ。

もしかして、噛まれた?

歯型ついてるとかありえないよ?


「言うこと聞かない美蓮にお仕置き」

「なにそれ」

「まあ、今日はこれで許してあげる」


満足そうに微笑んでその言葉を言い終わる頃にわたしはユウの腕の中にいた。


はあ、また今日も都合のいい女になってる。

なんでわたしはいつもこうなっちゃうんだろ。