顔を見ても思い出せない。
本当に誰なんだろう……?
恐る恐る、その先輩のところまで行くと先輩はわたしの顔を見るなり、にこっと柔らかく微笑んだ。
うわぁ……爽やかすぎる。
どっかの誰かとはまるで違うよ。
「あ、あの……」
「きみが廣嶺(ひろみね)さん?」
「あ、はい」
なんで名前を知ってるんだろう。
「俺、美化委員の橋本って言うんだけど昼休みに先生に掃除する部屋を聞きに行かなきゃいけなくてさ、相手が廣嶺さんだって聞いて知らせに来たんだ。急にごめんね」
まさか、こんなイケメンと!?
嘘でしょ!?本当に王子様みたいな人じゃん!!!
それにわざわざ教えに来てくれるなんて優しすぎる。
「すみません、わざわざ……!
知らなかったとはいえ、わたしも行かなきゃいけなかったのに」
申し訳ないことをしたなぁ、と心の中で反省していると先輩は優しい顔を浮かべたまま首を横に振った。



