「なんで?」
「だ、だって好きでもないのにこんなこと……」
どれだけわたしの心が振り回されていると思ってるの?
「じゃあ、好きだって言ったらズルくなくなるの?」
「それは……」
「好きなんて言ったら美蓮、調子乗るから言わない」
「は!?」
それだけ言うと、ネクタイを手にして慣れた手つきで器用にネクタイを締めるユウ。
締めるといっても苦しいからといっていつもゆるゆるだけど。
「調子乗るって、乗らないし!」
「美蓮がほしがってるときには言ってあげない」
「な、なにそれ……!」
「そーいうことだよ」
そういうと、スクールバックを持って部屋から出ていった。
どういうことなの!?全然わかんないよ。
ていうか、上手くはぐらかされた気がする。
わたしもユウのあとを追うように部屋を出て、おじさんとおばさんに挨拶をしてから外へ出た。
「ユウ、待ってよ」
「ん?」
「なんで先に行くの……待ってよ」
「いつも学校は別々でしょ」
冷たい言葉だけを残してユウは行ってしまった。



