うぅ、近い。そして、鼻血が出そう。
「文句言ってないで、早くしてよ」
本当にわがままなやつだ。
こんなやつ放っておけばいいのに、どうしてだかわたしにはそれができない。
恋って厄介だ。
好きだけでこんなに甘やかせるんだから。
「なんでわたしがこんなことを……」
そう言いながら、ボタンに手をかける。
ユウは一度わがままを言い出したらなかなか折れない。
だから、こうして黙って従う方がすんなりとことが進むんだ。
「ねえ、手震えてるよ。緊張してんの?」
当たり前でしょうが!
好きな人のボタンをとめて、しかもこんな至近距離にいたら嫌でも震えるし、心臓がうるさくなるでしょ。
ユウは何も分かっていない。
バカ!バカ!バーカ!
「うるさい。真剣にしてるから話しかけないで」
そういうと、ユウは本当に黙り込んでしまった。
そして何を思ったのかわたしの耳元にずいっと顔を寄せてきたと思ったら肩に重みを感じた。
まさか……寝てるんじゃ?
すぅすぅと聞こえてくる寝息。



