「ユウ、起きないと遅刻しちゃうよ」

「美蓮がちゅーしてくれたら起きる」

「はぁ!?ふざけないで!!ていうか、離してよ!」

「朝からうるさいから黙って」


う、うるさい!?だ、黙って!?


全部あんたのせいでしょうが!!!!


「起きないと知らないよ!」

「あとちょっとだけ」

「だーめ」


そう言ってユウのほっぺを両手で挟む。

すると、パチッと目を開けてユウがわたしの首元に顔を埋めた。

サラサラの髪の毛が首に当たってくすぐったい。


「朝っぱらから煽んないで」

「な、何言ってるの!?」

「かわいすぎじゃん。あーますます起きたくない」

「もう起きよ?遅刻する前に」

「美蓮、抱き心地最高だね」


まだわたしの首元に顔を埋めているユウ。


そろそろ離れてくれないとわたしの心臓がもたない。


ふわっと鼻を掠める柔軟剤の匂い。


いつもの香水の匂いとは違う。


わたしだけが知っているユウの香り。
そんなことに優越感を感じている。