「マジでさぁ、昨日のテレビ
やばすぎなんだけど笑」

涼風ゆりかという名札をつけ、

大声で周りと会話をするあなたは

私の後ろの席に座った。

なんだか緊張する。

「…まじ新学期だるくね?
課題とかいらないんだけど〜」

あなたがそう言うと、周りは

うんうん、と相槌をうって返した。

…私にもわかる、この感じ。

この子が女子のリーダーなんだな、

というのは、誰に聞かずとも

なんとなく察することが出来た。

始業までの空き時間をどう潰そうかと

そんなことを考えていると

トントン、と肩を叩かれた。

振り向いてみると、肩を叩いたのは

どうやら涼風ゆりかさんのようだった。

「ねぇ、見ない顔だけど転校生?
名前、なんてゆーの?」

「私、佐々木サクラ。転校してきたの。
この時期に転校とか、ダサいよね…」

良い印象を持ってもらえるように。

それだけを考えて話してみた。

あなたは一瞬だけ、ポカンとした

顔をしたけど、すぐに笑い始めた。

「え、ちょー面白いんだけど!
転校の時期にダサいとかあんの!?」

あなたがそう言うと、また周りも

そうだよね〜、最高〜と相槌をうった。

「サクラちゃん面白いね!
あたし涼風ゆりかって名前。
よろしくねん。」

そういってゆりかちゃんは

足を広げて手を叩いてゲラゲラと

笑った。