図書館の中は本棚がいくつも並んでいて、様々な背表紙の本が綺麗に並べられていた。薄暗い空間をオレンジ色の証明がぽつ、ぽつと街頭のように照らしている。
「わ、ぁ すごすぎ…」
二階にも同じように本棚が並んでいるのが見えて、まるでファンタジーの世界に出てくるような内装に心が躍る。
なんの本を読むかは決めてないけど、題材にする本のカテゴリーは何となく決めてあった。教科書で読むようなお堅い意見文なんかではなく、皆が幸せになれるハッピーエンドのおとぎ話が読みたかったのだ。
壁の案内図を見上げ、『小説・物語』の本棚を見つけるとその規模の大きさに驚く。
「二階の真ん中から…すごい、奥まで続いてる」
見あげる先は梯子のかけてある大きな本棚。
ひと目でわかる。一日じゃ見て回れないくらい、選び放題なのだ。
