耐雪梅花麗〜愛〜

この格好(黒紋付袴)で普通の甘味屋に行くのはおかしい気がするので、高級な甘味屋に行くことにした。

とことこと歩いてついて行くと、華やかで、立派な甘味屋があった。

「小さめの座敷でお願いします。」

と、近藤局長がそこの女将さんにお願いする。

「えらいすんまへん、お武家様。今ちょうど空き部屋がないんどす。1人のお客様が相部屋でもええそうなので、相部屋でもええどすか?」

「ええ、構いません。お願いします。」

「へえ。おおきに。こちらの座敷をお使いください。」

「ありがとうございます。女将さん。」

近藤局長がそう言って襖をあけ、座敷に上がった……のだが、

「た、大変失礼致しました。肥後守様。……。」

「いや、改まるでない、近藤。私は今町人の格好をしておるのだ。気にせず中に入れ。」

ひ、肥後守様?!あの、会津藩主、松平容保様?!

「こら、お前たち。ふざけてはならないよ。」

と、近藤局長が言う。ふざけてないです。ただ私はびっくりしすぎて挙動不審になってるだけですから……。

「いや、凜華君には言ってないよ。総司と左之と平助に言ってるんだ。」

え、

「えぇぇぇぇーーー!私、また口に出してましたか?」

「ああ。言っていたな。お前は間者には向いていないように見えるが。凜華と言ったかな?」

と、肥後守様が答える。


「も、申し訳ございませんでしたーーー!お見苦しい姿をお見せしてしまいました……。」

ずさぁーーー。と、私は土下座した。

「いや、だから改まられても困るんだがなぁ。」

「申しわ……、すいません。」