耐雪梅花麗〜愛〜

行書体でサラサラと名前を書く。

これが後に残れば私がここ、新選組にいた証拠になるのだろう。

「さあ、着替えてください。黒谷へ行きますよ。」

山南さんがそう言った。

「えーっと、黒谷ってどこにあるんでしょうか。」

ここの所ほぼ外出してないから、この中で一番土地勘がないのは私だろう。

「ついて行けばわかる。そんなこと聞くくらいならさっさと準備することだな。」

なっ、ふくちょー(土方)、なんだその口は、と思ったが正論すぎて口を結んだ。

私が今、剣道着なら下に晒しだけなので男がいない所で着替えるが、実際は皆のイメージと違って長着と袴を変えるだけなので、男の中で着替えても構わない。

本当なら長襦袢も変えないといけないけど、大切な話をするのに少しは改まった格好をしなくてはと思い、長襦袢は正絹にしていたのです。今日は巡察の予定だったけど、長襦袢は運が良ければ返り血で汚れないからね。まあ今日の巡察、出れなくなっちゃったけど。

誠華姉は私が皆を呼ぶのとお茶を運んでいる間に押入れの中でササッと正絹の長襦袢に着替えていたらしい。

桜華も同様である。

まあ随分と長く説明したが、

「あ、組長方、行ってらっしゃいませ!」

そう言って送り出してもらった。



なんかなー、殺気は感じないんだけど、良いような悪いような予感がするんだよねー。これは本当に当たりそうな気がする。