「明るい…。」

ここは島原。現代よりはくらいといえども普通の街よりは明るい。

それにしてもやっぱり男ばっかりだよなぁ。

斉藤さんと沖田さん以外はルンルンだけど、二人は慣れてないっぽい。

「ねぇ、一さん、僕ら付き合いでしか島原に来ないもんだから、久しぶりだよね、島原。」

「総司は芹沢によく付き合ってたもんな。俺はたまにしか付き合わなかった…。悪いことをしたものだ。」

「まあ、今日はその償いだとでも思って楽しみましょうよ。ね、一さん。」

街の灯りと星の煌めきが私たちを照らしつける。

ここにいたら女であることが恥ずかしい。こんな場所に普通は女は来ない。

恥ずかしくて他人には見られたくない顔なのに街と星が意地悪をしてくる。

「ほら、真っ赤になっている凜華ちゃんよりはマシでしょ、まあ、お酒と飯を楽しみましょうよ。」

と、斎藤さんに話しかける沖田さん。ほら、やっぱり見えてるんだ。

そんなこんなで歩いているうちに

「着いたぞー!今日は明日の隊務に支障が出ないならいくらでも飲んでも良い!ただし、明日の隊務に支障が出ないようにな!」

「はい!」

そして角屋へ入り、空いている座敷へはいる。とても広い。20人位しか入らないのに、広すぎると思う。これは明らかに怖がられてる証拠じゃないのかな。新選組が。少しでも機嫌を損ねたら斬られる。そんなふうに思われているのだろう。本当はそんなんじゃないのに。


そんなことを思っていたら、女の人が入ってきた。

「天神の花里どす。どうぞよろしゅうお願いします。」