耐雪梅花麗〜愛〜

〜誠華〜

桜華が部屋を出てから、皆さんも部屋を出ていった。そしたら張っていた気が緩んでしまった。

最初は気づかなかったけど、やっと気づきた。私の膝には確かに涙のあとがある。あぁ、私、泣いているんだ。声も出さずにぽたぽたと落ちてゆく涙を、みている土方さんはどんな気持ちだろうか。

「落ち着いたら、言えよ。」

そう言って、部屋を出ていった。あの人なりの優しさだろうね。ホント不器用。

古着屋で買った長着をバサッと被り、一人静かに泣く。

もみじの葉が散る音がする。この音は、悲しい音だろうか。私も悲しい。でも、違う悲しさだ。

「桜が散る音だったらいいのに。」

桜が散るのに、音はしないだろうね。でも、今だったら確実に聞こえる。寂しさと悲しさを心の片隅にしまい、新たな挑戦へと向かっていく音。優しさと、勇気を教えてくれる音が。

「桜を思い出してたら、なんか元気出てきた。」

笑うんだ。私。桜のように、そして、冬に耐えて咲きほこる梅のように。

「土方さん、入っていいですよ。すいません、ありがとうございます。」

目には確かに、涙のあとがあると思うが、それに負けないくらいの笑顔で迎えた。