ずるいよ、先輩。

ーーーあれは、中学2年生の話に遡る。

中学2年俺と美香とクラスメイトほぼ全員で親に内緒で夜中に肝試しをするために学校へ侵入していた。


男女のペアになって三階建ての校舎を歩くという良くありがちなルート。


もちろん俺と美香はペアになった。



俺と美香は前から5番目、割と最初の方だった。


前のペアが戻ってきて俺達の出番になった。


家から持ってきた懐中電灯を片手に俺達は歩き出す。


まず、俺達は3階を目指した。


美香と隣に並んで歩いている。
美香は怖いのが苦手で俺の腕にしがみついて歩いていた。


怖いのが平気な俺でも流石に夜中の不気味な雰囲気の学校に恐怖を感じていた。


俺達は3階、2階を順調に周りスタート地点に繋がる階段を降りようとした。


その時、懐中電灯が運悪く電池が切れてしまった。
階段の段差も分からないくらい真っ暗な闇に包まれていた。