この前、海で言われたことだって嘘だったんだ。

わたしはあんなに悩んだのにあんまりだよ━━。

ってか最低すぎない??ありえん!!!


わたしはだいぶショックを受けた。



『咲貴?どうした??何か言われたんじゃないの??』

わたしの表情が暗いのに気付いた孝浩くんが言った。

『ううん、大丈夫。沢村さんのこと考えてて・・』

嘘だったけどそっちの話をふった。



『あぁー・・・それは憂鬱だよな。バイト中、サラッと言ってみるよ。今日、同じ時間あがりだよね?俺ら。送るから帰りに沢村さんの反応話すわ。』

わたしはありがとう。と言って横で笑った。


でも本当は笑顔なんて出るはずもないほどへこんでいた。



もう、いいじゃんね。

孝浩くんがいるし、俊くんのことは忘れようっと!!

あんな最低な奴。



そう思って

『ねね、これからバイトまで時間あるよね?どこ行くの??』

わたしは孝浩くんに明るく言った。

『行きたいところある??』

そう聞かれたけどわたしは思いつかなかった。


『いや・・特に・・。』

『前さ、映画見たいって言ってたじゃん。あの新作の。見た??』

そう、バイト中にわたしは見たい映画がレンタルになったのを知って見たいを連呼していた。


『いやまだ見てない。』

『じゃ、見るか。』

こういうことでわたしたちはDVDを借りて見ることになった。



『制服の子と歩くのって高校以来だな。』

バイト先とは違うビデオ屋に着いたとき、孝浩くんが恥ずかしそうに言った。


『制服とか関係ないって。嫌?嬉しい??』

わたしは笑顔で言って孝浩くんの手に腕を回した。

孝浩くんは驚いたようにこっちをチラッと見たが振りほどくはずもなく、嬉しいに決まってる。と言いながら2人でDVDを探した。