わたしは毎日のようにバイトに行き、仕事をこなした。


今日はあれから初めて、原口さんと同じ時間から仕事で同じ時間にあがりだった。


原口さんと帰るとき、一緒には出ないでおこうと思っていた。

この日も沢村さんに邪険にされながらも無視して仕事をこなし、あがって携帯を見た。


あれから毎日俊くんから返事はしていないのにメールが来ていた。

内容はたわいないことばかり。

今日の出来事や、おすすめの映画など。

告白の返事をせかすような内容はまだ一度もなかった。

今日も来てるだろう。と思って携帯を開くと新着メール4件。


うち1件は俊くんだったけど、その中に原口さんからのが1件あった。

残りは友美と学校の友達。



原口さんからのメールの内容は【仕事終わったら新垣ちゃんの原付のところで待ってて。】だった。

わたしは待つか待たないか相当悩んだが、やっぱり待たずに帰ろうと思った。

まだ、答えは出せない。

そう思って。



でも外に出ると原付のところに原口さんが立っていた。

遅かった・・。

わたしはしょうがなくお疲れ様でした。と挨拶をした。


『新垣ちゃん、今日ちょっとだけ時間ある??』

なにもなかったけど2人になると流されるような気がして断ろうと思っていた。

『用事はないけどまだ・・。』


そう言うが原口さんは返事は聞かないから!!とか言ってなぜか引き下がらず、どうしてもというのでわたしは原口さんの車に乗ってどこかへ出かけることにした。


車の中では今流行っているCDが流れていた。

それを口ずさみながら原口さんは運転していた。

わたしはその歌と原口さんの歌声を横でずっと聞いていた。


そして30分ほどして到着したのは山の上の天文台だった。

『もうすぐ流星群が流れるらしいから。』

そう言ってもっと高いところにわたしたちは移動した。