愛のかたち

足は全然つかない深いところで、わたしは焦ってビックリしてマットにしがみ付いた。

それを助けながら原口さんは笑っていた。

『何やってんの。まじリアクションうますぎ!!』

といいながら。


わたしはまたマットに這い上がって原口さんの顔を見た。

そして驚きを隠せなかった顔をしていたと思うが、恐る恐る聞いた。


『わ、わざとじゃないんですけど・・・。てか・・え、本気でなんですか??からかってるとかじゃなくて??』


『からかうためにここまで来たりしないよ。花火だって一緒に行きたかったから誘ったんだし。あのとき、誘う切り出し方、俺ずっと考えてたんだよ?ちょうど浴衣の人が通ったお陰で流れっぽく誘えたけど・・・。』


わたしの心臓は高速で鼓動を打っていた。


原口さんがわたしを好き!?

そんな夢みたいなことあっていいの!?

どうしよう・・



そのとき後ろから大きな声で

『咲貴ちゃん。』

と声がした。

その声の主は俊くんだった。


俊くんは泳いで足のつかない沖まで来てて、原口さんを見て驚いた表情をした。

原口さんの顔を覚えてたのか、なんでここにこの人がいるの?というような表情だった。


『あ、友だちと来てたんだね。俺はじゃあ行くよ。もう大丈夫かな。』

原口さんも微妙そうな顔は隠せなかったらしく気まずい表情をして行こうとしていた。

『やだ。行っちゃ・・。』



口走ってしまった。

わたしを好きだと言ってくれた俊くんの前で。


でも、わたしは女の子たちの中にいたような俊くんと一緒にいたくなかった。