愛のかたち

『ね、キスしちゃだめ?』



その言葉にわたしは耳を疑った。

この人はいとこの愛子さんに似てるわたしだから言ってるんだ。

軽い気持ちなんだから深く考えちゃだめだ。

思考回路がうまくまわらないのにここはちゃんとしっかりしてた。



『だめに決まってるじゃん。何言ってんの??』

わたしは冷たくあしらった。

そして少し離れてビールをグビッとまた飲んだ。

でも心臓はバクバクだった。

俊くんも恵介くんと同類なのか・・・。

罪な男だ。

こんなにドキドキさせて。


そんなときだった。

『だめか。前は俺のこと好きだったくせに。』

そう言い放った。

『え??なにそれ??』

『勘違いじゃないでしょ?俺のこと好きじゃなかった?』


放心状態だった。

好きって言葉は重過ぎるけど気になっていたことは確か。


黙っていたわたしに俊くんはタバコに火をつけながらさらに言い続けた。

『やっぱりね。じゃないかと思ってた。でもあのときは咲貴ちゃんは愛子のかわりにならないって確信してたもん。海行ったとき。だから連絡取らなくなった。ま、どうでもいっか。』

そう言ってタバコを1口吸った。


『意味わかんない。自意識過剰なんじゃない?別に好きじゃないしどっちかって言うと恵介くんのほうがタイプだもん。』

わたしはまた不器用に嘘をついてしまった。

売り言葉に買い言葉。

まさにこれだろう。

でもわたしの場合は嘘。