わたしは今、彼氏も好きな人さえもいない。

憧れな人ならいるけど・・・。

友美も憧れというような人なら何人かいるが、好きとなるとわたしと同じでいないと思う。


わたしたちは久々の飲み会にウキウキした。

『なんか友だちの彼氏とその友だちなんだって!かっこいいからって話。』


この言葉は何よりもテンションが上がる。


わたしたちはサバイバーを出て用意をするため一時解散することにした。

結局帰りも友美が運転して近くのバス停に送ってもらった。


『じゃああとからねー』

黄色い声でまたバイバーイと言ってわたしはやって来たバスに乗った。



バスの中は今日は始業式だからか同じ高校生が何人かと老人が乗っていた。

家まではだいたい15分。

携帯を開いてピコピコメールを打ったり、色んなサイトを眺めた。

ときに窓の外を見ると外はまだ曇っていて雨がいつ降ってもおかしくなかった。

わたしは外を見ながら今日の服装を考えていた。



Gジャンは誰かと絶対かぶりそうだからパス。

あの黒ジャケとこの前買ったミニワンピにしようかな・・靴はどれにしよう・・



色々考えていたらあっという間に最寄のバス停についたので降りた。

すると雨はもう降り出していた。



あぁ、めんどくさい。傘さすの・・



傘を開いた。

わたしは傘が嫌い。

邪魔になるし、表面が濡れてたら閉じたときに服も濡れちゃうかもしれないし。


でも、楽しみのときって不思議。

嫌な雨、嫌いな傘もそこまで嫌気がささない気がした。