『すみません、友だちで・・・・。』

そう言ってまた歩きながら原口さんに話しかけた。

『あれ、全部売ったってすごいね。かっこよかったからね、彼ら。』

笑いながら言う原口さんにわたしはすかさず

『いやいや原口さんだって相当な人気じゃないですか!!そのへんの芸能人よりよっぽどかっこいいと思いますけど。』

本音を言った。

言った後に少し恥ずかしさがあったけど。



原口さんは驚きながらも笑って

『そんな褒めてもなにもないよ。しかもありえないことばっかり。』

と苦笑いで言ってた。

原口さんもわたしと一緒で謙遜型なんだろうと思った。



そして車に戻り、バイト先に原付を置いていたのでそこまで送ってもらうことになった。

今日のお礼をたっぷり言うと原口さんも楽しかったと言ってくれてわたしは有頂天になった。

楽しかっただなんて・・・。

ただ一緒にいただけなのに!!!


社交辞令かもしれないのにやっぱり原口さんに言われると嬉しくってしょうがない!!

バイト先に着くと夢から覚めたような感じになったが、また明日と言って車を降りた。

シンデレラの気持ちがよくわかった気がした。




沢村さんに見つかったら殺されるかもしれないと思ったけど、どうにか見つからずにすんだ。

よかったよかった。



家に帰ると理沙ちゃんと知香ちゃんに花火に行ってきたと言うと

『だれと~??』

と冷やかされ、原口さんと言うと原口さんのかっこよさを知っている2人はすぐにくいついて

『ズルイ。』

という言葉を連呼していた。