知らないだろうな。


俺はシフトを決める係だったから花火大会のあの日、わざと2人して7時あがりにしたんだ。


特権を私用に使って何が悪い。

花火大会、断られるの覚悟で誘うって決めてたんだ。



新垣ちゃんがロッカーを閉める音が聞こえて俺も同時に男のロッカーを出た。

偶然会ったと装うようにね。


外に行くまで切り出し方を考えてた。


そんなときに浴衣って声を出してくれたお陰でスムーズに話は進んだ。


俺には神がついていると思ったよ。


車の中では外を見たり、俯いたりして・・楽しくないかなって不安だった。


でもそれよりも、なによりも俺は緊張してた。


2人っきりで車に乗って花火に行けるなんて夢みたいだったから。


楽しそうな顔を見せてくれたときは心底嬉しかった。



後ろにいる男が何か言ってたり、かっこいい男友達と話したりしてやっぱりモテるんだと実感させられたけど。




だから早めに先手を打つべきだと思った。



行くって聞いた海に行って俺は告白した。