小学校の時から、俺は人に好かれるタイプだと思った。

俺のことが好きだって噂をよく聞いた。

サッカーを始めると更に噂は増えた。



そして中学生になると付き合って下さいと言われるようになった。


可愛い女の子、優しい女の子、ちょっと変わった女の子。



色んな女の子と付き合ったりした。



それなりに経験も積んだ。


それでも何か引っかかる。

きっと俺が本気じゃないから。


心から一緒にいたいって思える子はいない。



そんな俺が高校3年生の頃だった。


バイト先のビデオ屋に新しいバイトの子が入ってきた。


まだ中学生から高校生になったばかりの子どもだと最初は思ってた。


でも彼女はどんどん綺麗になっていった。


中身も素直で話しやすい子。


そして何よりも笑顔は眩しさを感じた。



そんな彼女が俺が高校3年の冬に彼氏と一緒にバイト先に来た。


仲良く手を繋いで俺のレジに並ぶ。


嫉妬してる自分に気付いたのはこの時だった。



この日、そのとき付き合ってた同じ高校の1こ下の子と別れた。



俺は新垣咲貴ちゃんが好きなんだと気付いたから。