『あなたは日本人ですよね?俊は帰化したとはいえ元韓国人です。それはご存知ですよね?』


『はい、聞いています。』


『でしたら話は早い。俊とは別れてほしいのです。』


『・・・・え?』


『俊は免許などで便利になるように帰化したんです。わたしたちはやはり、俊には韓国の女性という考えですので。まだ咲貴さんも若いし、綺麗なので俊じゃなくてもいっぱいいるでしょう。』


『ちょ・・・待ってください。このこと、俊には話したんですか??』


わたしは焦っていた。

両親の前で俊と呼び捨てにしてしまったし、何よりも純くんの言うとおりだったから。

純くんの言っていた問題がついにわたしに直面することになったんだ・・。


『えぇ、話してます。咲貴さんには直接言うと言ってましたがその後音沙汰無しなものでわたしたちが足を運ぶ形となりましたが・・・。』


『━━・・・嫌です。』


わたしは下を向き、小さく呟いた。


俊のお母さんは少し声を大きくして興奮した様子で言った。


『民族の違いは大きいのよ?俊は帰化したと言っても韓国なの。わかってもらわないと・・・』


『おい、ちょっと・・・。』


そう言ってお父さんがお母さんを止めた。


『咲貴さん、わかりました。これで引き取ってもらうわけにはいかないでしょうか??失礼だとは思いますが年頃ということもありますので自由に使えるものを。』


そう言ってバッグから封筒を出された。

見た瞬間・・金だとわかる。


完璧になめられてる。

わたしの俊への想いが金で変わると。



気付いたらコーヒーを両親にふっかけ、ケーキを投げて金も投げつけていた。


『最低の石頭どもだな。』


吐き捨てるように言ったのを覚えている。