それからはまた、いつもの生活に戻った。

俊は両親と別に住むことを許されたらしく、毎日帰ってくる。


あの日、キスはなかったけど次の日からは普通にいつものようにキスをしてくれるし、手も出してくる。

調子が悪かっただけなのかな??


プラス思考にそう考えることにしていた。

俊は家族のところに行っている様子はなかった。

いつもすぐに帰ってきてくれる。









9月、暦では秋なのにまだ暑い。

わたしは冷房を入れて掃除で暑くなったカラダを冷やすため、冷凍庫に入っていたアイスを食べていた。


ピンポーン。


聞こえたのでアイスを台に置き、玄関に向かった。


覗き穴から見えるのは空港で見た家族の顔。

俊の両親だ。


わたしは急いで鍵を開けた。


『こんにちは。俊くんは・・・いませんけど・・・。』


そう言うとお母さんがニッコリと笑って


『大丈夫よ。あがっていいかしら??』


と言ったのでわたしは家にあげた。

掃除をしておいて正解だったなって心底思った。


お土産のケーキを頂いたので台に置いていた食べかけのアイスを流しに捨て、お湯を沸かしてコーヒーの準備をしてケーキを皿に載せた。


そして座っている両親にケーキとコーヒーを出し、わたしも座った。


両親は正装で来ていた。

暑いだろうに。


重い空気の中、お父さんが口を開いた。