『ねぇねぇ!!わたしのこと何か言ってた!?』


帰ってきた俊を玄関で止めてわたしはすぐに聞いた。

俊は笑いながら


『大丈夫だよ。綺麗な子だねって言ってた。』


そう言って部屋に進んだ。



嘘。

俊の目は笑ってなかったよ。


反対されたんじゃないの??

わたしが日本人だから。




でも、大丈夫と言ってくれた以上、そうは聞けなかった。


『俊のお父さんもお母さんも綺麗な顔だったよね。』


『息子もかっこいいはずだろ??』


『調子にのりすぎー!!』


そう言って肘でコツンと突いた。



いつもは寝る前に俊はキスをする。

でもこの日、キスをされることはなかった。