『そうなの。そのへんはわたしにはよく分からないけど・・・咲貴を悲しませないって約束してくれるんならわたしは別に・・いいと思うけど?』

知香ちゃんはいつものように目を見開いて首を傾げて言った。


『わたしも・・・ちゃんと働いてるみたいだし今時、国とかそういうことは気にする必要はない気がする。ただ、俊くんは咲貴をケンカに巻き込んだり苦しめたりってのがあったからいい気はしないのね。』


『俺は反対。だって・・』


『純、あんたは黙ってな。』


理沙ちゃんは純くんがまだ言いかけてたのに黙らせた。


『いい気はしない。でも、好きならしょうがないと思う。いいじゃん、咲貴。お互い一途でちょっと感動しちゃった。』


理沙ちゃんはニコッとその後笑って


『俊くん、今度こそ咲貴をよろしくね。』


そう言って手を差し出した。

それに応じて俊も手を差し出し握手を交わした。


『はい。』


そう言って。


わたしはチラッと純くんを見るとブスッとした顔をしていた。

そして次の瞬間、目が合った。


どういう反応をするかな・・と思ってたら意外にもフッと少し微笑んでくれた。


こうしてよりを戻すということについては姉2人の了承を得ることができた。



『俺、絶対追い返されるかと思ってたし!!』

と帰りに興奮した様子で俊が話していた。



『明日、仕事終わったら連絡する。遊びに行こう。』


そう言ってわたしの髪を触り、軽くキスをして俊は仕事に向かった。


いつもはなんとも思わないのに、月がすごく綺麗に見えたことを覚えている。

月が綺麗と気付くなんて・・・余裕が出たんだろうな、自分に。