愛のかたち

帰るとわたしはベッドの上に正座をした。


目の前には渡されたメモと携帯。


番号くらい・・・まだ覚えてる。

変わってないから。


もちろん電話帳にも入ってる。


電話、すべきか・・しないでおくべきか・・・。



いいや。


そう思って手にしたのは携帯。


電話帳の孝浩くんを探し出し、勢いで通話ボタンを押した。



『もしもし。』


久しぶりに聞く。

携帯からの孝浩くんの声。


懐かしい・・。


『あの・・咲貴です。』


『だと思った。電話ありがとう。バイト終わった?』


ちょっとだけ笑いながら、そして嬉しそうに言った。

そのときの表情は見えなくても思い浮かぶ。


『うん、もう家。どうしたの?相談?』


普通なら元気?とかそういうこと聞くよね。

でも早く相談の中身を聞いて切らなきゃって思ってたんだ。


『うん。長くなるからさ、ちょっとだけでいいんだ。会えない?』


静まれ心臓。


通常に戻れ心臓。


でも早く動いてしまう。


だって会えないって・・・2人でだよね??