愛のかたち

そしてまた目が合った。


わたし、無意識に孝浩くんを見てるんだね。

そして孝浩くんも。



ヤバイと思って注文票を見ようとすると後ろに俊が居た。


『お前・・・原口さん見すぎだし。本気でうざい。』


吐き捨てるように言って料理を運んで行った。

バレてる・・・。

まためんどくさいことになってきた。


チラッと孝浩くんを見ると孝浩くんは俊を見ていた。


あ、見ちゃいけないんだった。




そんなとき、厨房から前菜を孝浩くんたちのテーブルに運ぶよう言われた。

村松さんは・・・違うテーブルでワインついでるし。


しょうがなく運ぶことになり、緊張しながらテーブルに向かった。


こんな近くに行くのは・・別れたあの日以来。



『こちら前菜になります。』


そう言ってテーブルに置いた。



チラッと孝浩くんを見ると目が合った。


『ARAKAKI・・・新垣さんって言うの??』


テーブルにいる孝浩くんと同じ歳くらいの人が話しかけてきた。


営業スマイルでええ。と言ってわたしは立ち去った。



やっば、めっちゃ緊張しちゃった・・・。

手震えてたら恥ずかしい・・・。