愛のかたち

『同じバイトに入ったのが間違いだわ、そりゃ。仲直りするには辞めるしかないんじゃない??』


うん、それは思ってた。

たぶんそうしないと俊の怒りは増えるだけ。

先輩や、よくしてくれる佐々木を冷たくあしらうなんてできないんだもん。


『考えてみる・・・。』



そしてそれからは友美の拓也さんとのケンカ話(惚気たっぷりな)を聞かされたり、お正月の出来事を話したりして大盛り上がり。

あっという間に時間は過ぎてバイトの時間になってしまった。


自転車でカプリまで送ってもらい、バイトの準備を始めた。






機嫌が・・・よすぎる・・・。


村松さんが今日は機嫌がよすぎる。

あんなにいじめていた新山さんに優しすぎる。


『新山さん、テーブル拭いて来てくれたの?ありがとう。』


すごい笑顔。

新山さんも引きつり笑いをしている・・・。


『村松さん、なんかいいことあったんですか??』


すると村松さんはニッコリと微笑み、ウフフと笑って去って行った。


だいぶ気持ち悪い。

わたしと新山さんは目を合わせて首を傾げた。


なんなんだろう・・・。


俊も大塚さんや佐々木たちと楽しそうに話す声が聞こえていた。

あえてそっちのほうは見ない。



そしてお店は開店した。