『もういい!!いい争いなんてめんどくさい!!帰る。』


そう言ってわたしはコートとバッグを手に取り、部屋を飛び出した。

後ろから追ってくる足音が聞こえる。

振り向かないけど。


玄関のところで手をつかまれ、止められた。


『逆ギレ?うぜーな。』

『そんなこと言うため追ってきたわけ??』


まじで今の言葉は心底呆れる。

言い争いがめんどくさいって言ったのに。


『どうやって帰るの?』


『うぜーな。』


言い返してみた。


すると俊は掴んでいた手を乱暴に離した。

少し上にやって振り落とすように。


『勝手にしろ。』


そう言って部屋の方に歩いていくのでわたしは玄関を出た。


歩きながらコートを着て、バッグに入れていたマフラーを巻いた。


夜道が暗い。

そんなことはわかりきってる。


涙で更に暗いんだ。


独り言のようにわたしは小さく

『どうしようもないんだっつーの。』


そう呟いてしまった。