『咲貴さ、この家の表札見たことある??ないよね?』

『表札??うん、別にないかも。』

『だから全く気付いてないんだね。実は、俺が一緒に住んでる4人は・・・血のつながりはない。』

『え???』


たぶん驚きを隠せなかったと思う。


『俺が一緒に住んでいる4人は親子だけどね。で、子どもたちは風俗関係の仕事してて、その親は・・・知らない。』


『へ???』


『いや、まじ知らないんだ。不倫で帰ってこないって言ったけど本当に帰ってこないしどうでもいいから干渉しない。』


『え・・・ちょ・・』


わたしの疑問をそのすぐ後に俊は答えた。


『俺の本当の親は・・・国に帰った。俺を残して。』


『く・・に?』


『俺、韓国人なんだ。』


この言葉をわたしの目をジッと見つめて言った。


わたしの・・・目が泳いでいるというのは自分でもわかった。

俊は日本人じゃないの??


そのとき俊が財布から取り出したのは免許証。


国籍・本籍のところに韓国と書いてある・・・。