愛のかたち

それからわたしたちは海沿いを走って近くの海岸に着き、砂浜を歩いた。

そこまで奥の海には行けなかったからキレイな海とまではいかなかったけどずっと水平線を眺めた。

『海ってあんまり来ないから来れてよかった。』

素直にわたしが言うと俊くんは笑顔で

『連れて来れてよかった。』

と言って白い砂の上をシャコッシャコッと音をさせながら歩いた。


それから夕方のためにわたしたちは家の方向に向かった。

正直なところ、もっと一緒に居たかった。

でも言えるわけがない。



わたしは会ったときよりもバイクの後ろにも慣れ、曲がるときも一緒に余裕で傾けれるようにもなった。


俊くんはバイクを置いて友美や恵介くんとの約束の場所いくと言うのでわたしも一緒に俊くんの家に向かった。

俊くんの家はわたしの家からだいたい徒歩だと1時間くらいのところだった。

普通の一軒家。


でも、入るときに俊くんはフゥ。と一息ついたのに気付いた。

でも、何もその件には触れないようにした。





『この前送ってくれたときってどうやって帰ったの?』

街に向かっている途中、素朴な疑問を聞いてみた。

だって俊くんの家まで徒歩なら結構な時間がかかる。


『ん?兄貴に迎えに来てもらったよ。』

とちょっと微妙な表情で言った。



なんでこんな表情をするんだろう?



なにかお兄さんとあるかのような、それか、迎えに来たのはお兄さんじゃないというかのような。

でも別に深く考えずにそっか。とだけ言った。