『で、連絡してもこないし。そしたらフラれて━━。今度は諦めようって思って強がり言ってさ。いっそ嫌われたら諦めれるかなって思って。そしたらまた後悔した。やっぱり諦められなくって。』

『━━・・・。』


その時、俊くんはまたギュッとポケットの中で強く手を握った。


『だから、バイト先に行くことにした。バイト生として。彼氏いるってわかってたけど、見てから諦めるか、諦めないか決めようと思って。』


『うん。』

これらの話を聞いてたぶん、わたしの顔は赤面していたと思う。

太陽がもう沈んでいたせいで見えなかったのが助かった。


『諦めれなかった。会えば会う度好きになった━━。』


こんな素直に話してくれることは今までなかった。

いつも冗談を言ったり、本気だけどどこか影があったり・・。


いつもの俊くんじゃない。

でも、これが本当の俊くん??

そこまではわからないけど本心を言ってくれてるってのはわかった。


わたしはチラッと俊くんの方を見た。

暗くなっていたのではっきりとはわからないけど、照れくさそうな顔をしているのはわかった。

でも、とても生き生きとした顔。


『あの日、公園に俺の為に来てくれたのは嬉しかったけどケガさせて・・。あの時は死にたいって思うくらい苦しかった。それで、これからは守りたいって思った。』


『━━うん。』


『原口さんと別れたって原口さんから聞いたときは申し訳ないけど凄く嬉しかった。』


『え??』


孝浩くんが俊くんに・・言ったの??

なんで??


『お前のことが多分咲貴は好きだから。って言ってた。連絡先教えてくれないのに好きな訳ないだろうっては思ってたけどね。』


今度は苦笑いをしながら言った。


孝浩くん、わたしのために辛いと思うのに言ったんだ・・・。

また、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


孝浩くん、どれだけ感謝したらいいんだろう。