その瞬間、目を逸らした。


どうしよう・・・。


孝浩くんのことだってまだ完全に忘れたわけじゃないのに・・・。


こんな半端な想いじゃ付き合ったら迷惑だよね・・・。


一緒にいたくても想いが完璧じゃなきゃ俊くんに悪い。


答えを決めてわたしはまた、俊くんの目を見た。


その瞬間、またキスをされた。

決心を揺らがしてるの??

わたしの心が読めてるの??

今度は触れるだけの軽いキス。


『咲貴ちゃん、深く考えないでね。俺はそばに居てほしいだけなんだ。原口さんに未練があろうが俺のこと好きじゃないだろうが別にいいから。』


見透かされていた。


ニカッと笑う仕草を見せて俊くんは手を取り、歩き始めた。


俊くんの右手とわたしの左手がしっかり繋がれていた。



『バイク近くのコンビニ置いてるんだ。どっか行こっか。』


わたしが断ろうが、きっと俊くんはどっかに連れて行っただろう。


強引さが満開だった。


『うん・・。』

消えるような小さな声で答えた。


『どこ行こうかな~。』


そう言いながら色々候補をあげる俊くんの声をわたしは聞いていた。


コンビニに到着するとすぐにメットをわたしに渡した。


『パンツ気をつけてよ~。』


そう言いながらバイクを発進させた。



わたしは答えを考えていたが、バイクが動くとスカートがめくれるのを防ぐのに必死だった・・・。