『孝浩くん、わたし孝浩くんのこと好きだよ。』


『うん。』


『でも、俊くんも好きなのかもしれない。』


『うん、知ってる。』


『最低だよね。』


『しょうがないだろ。』


孝浩くんは吸っていたタバコをアスファルトに落とし、足で火を消した。


火が花火のように散らばった。

あのとき、2人で見た花火みたいに。


タバコを見るだけで精一杯だった。


顔は見れない。


『いつから、知ってたの??』

『お前、いつも目で追ったりチラチラ見てたし。シフトかぶらないようにしたけど意味ないし。』


孝浩くんはいつもわたしを見ていてくれていたんだ。


辛かったろうけど、わたしに気付かれないようにそれでも笑顔でいてくれた。

無償の愛をもらっていたのに、わたしは踏みにじるようなことをしていた。


俊くんのことが気になるって気付いたのは昨日だったはずなのに・・・

自分が気付いてないだけだった・・・。

そんな自分が情けなくて、孝浩くんに申し訳なくて・・・


『・・・ごめん・・・ね・・。』


溢れる涙をこらえることが出来なかった。