ガチャッ。

シーンとした中でドアの開いた音がして、お疲れ様です。という声がした瞬間だった。

『お疲れ・・尾上その顔どうした・・』


上が繋がっているロッカー。

男のロッカーの方から坂上さんの声がきこえた。


きっと最初から坂上さんはいて、後から俊くんが入ってきたのだろう。

坂上さんの様子からして俊くんの顔の腫れはまだひいてないらしい。



『転んだんす。あ、お疲れ様です。』


またガチャッと音がした後に俊くんが言ったっぽい。


『うわ、尾上どうした??』


次は孝浩くんの声が響いた。


『転んだんす。』


『転んでそれは・・なくないか??ま、いいけど。』



孝浩くんが今バイトに来ているということにまたドキドキし始めた。

俊くん、ケガ。


そしてわたしもケガ。


しかも2人とも傷を作ってくるのは初めて。

それも同時に。


絶対おかしいとバカでも思うはず・・・。


ロッカーを出るのがかなり嫌だった。