『ちょっと~咲貴!!!どうしたのその顔!?』


湿布などを貼ることは断念して、わたしは口元にまだ赤みが残ったまま学校へ行った。

ミス流星になってからの初登校が傷ついた顔。

みんなに見られていた。


わたしは人を謝絶するかのように顔を机に伏せていたが、友美が後ろから背中を叩いてきたので、起き上がったときに友美がわたしの顔を見てからの第一声の言葉がさっきの言葉だった。


『いろいろ・・ね。』


わたしはその色々を話すため、1時間目をサボらせられて、友美と人気のない立ち入り禁止の張り紙がある、汚い机が山のように散乱した気味の悪い教室で説明させられた。

もちろん、昨日の学祭のその後のことを最初に加えて。


友美は多分頑張ってだろう。


顔の表情を一度も変えることなくただ、頷きながら黙って聞いてくれた。


きっとわたしが俊くんのところに行ったことには大反対なはずなのに、全く表情は変わらなかった。

だから、全てを話すことが出来た。




わたしが、俊くんのことを朝から考えていたことも。