愛のかたち

公園の入り口には俊くんのバイクがあった。

あの、白く大きいＡＴ車のバイク。


わたしは横にバイクを止めて公園の中に走った。

手には何かあったら１１０番ができるように携帯を握り締めたまま。


薄暗いのでよく見えなかったが、奥のほうで何人かが動いているのが見えた。

近づくとそれが４人だとわかった。

４人は殴り合いのケンカをしていたが、圧倒的に俊くんが殴られている回数が多いのがすぐにわかった。

３対１。

俊くんはそんなにケンカが強そうにも見えない。

その時、俊くんが倒れ、その俊くんを３人が蹴っていた。

そのとき、１人の男がわたしに気付いた。

１人があと１人に耳元で何か言っていた。

俊くんに気付かれてないところを見ると小さな声で言ったんだろうな。


すると２人の動きが止まり、２人の男がこっちに近づいてきた。

わたしもそっちに歩いた。

１人の男はマウンドポジションを取って俊くんを殴っていた。



『もう、やめてくれない？？』

近くなり、声も届く距離になったとき、わたしは２人に言った。

きっと声が震えている。

この２人は確か豊という奴と直哉という奴だ。


『驚いた。ここに１人で来るとはね・・。』

そう言ってわたしの手首を掴んで俊くんの方に引っ張られた。

『痛い！！やめてよ。離して。』

そのとき、俊くんがわたしの方を見た。

たっちゃんという男もわたしを見て手が止まったときだった。

そして俊くんと目が合った。

たっちゃんと呼ばれる奴は俊くんの上からのき、俊くんはフラフラしながら立ち上がった。


『俺ら、女には手出す気はない。でもあんたは別。』

直哉という奴がそう言った後、わたしを押し倒した。


足と足の間にこの男の膝が置かれ、わたしは全身の力を入れて抵抗した。

でも、その瞬間顔を叩かれた。

『抵抗すると尾上みたいになるぞ。』


そしてわたしの服を無理矢理剥ぎ取っていった。