愛のかたち

『俊くん、わたしねもう・・・』

言いかけたときだった。

また事務所のドアが開き、そこに立っていたのは店長だった。


『新垣さん、ちょっと・・・。新垣さんを変な3人が呼んでて。でもちょっと危ないんだ。危ないかもしれないから尾上くんも来てくれるか??』


深刻な顔をした店長が言った。

わたしは断ることも出来ず、売り場に向かった。


3人。

その言葉でわたしはもしかして・・。と悟った。

多分俊くんもだったと思う。

深刻そうな顔をしていた。



売り場に行くとやっぱり昨日いた3人がいた。

『みーっけ!!アヤナが聞き出してくれたんだ。って尾上までいるじゃん。』


そう言ったのは確か昨日直哉と呼ばれていた男。


俊くんの顔を見てみーっけ!!と言った顔とはまた全然違う顔つきで尾上までという言葉を言っていた。

すごく、嫌なものを見たときのような顔に。


『なんでお前らがここにいるんだよ。』


俊くんも見たことのないようなすごく怖い顔つきになり、3人を睨みながら言った。

店長はただ、オロオロとしていて、愛子ちゃんがすぐに

『俊、外で話してきな!!』


と強い口調で言っていた。

その言葉に従うかのように俊くんは外に出た。

チラっとわたしを見たときに、目で【こっちには絶対に来るな】といわれたような気がした。


3人も俊くんに着いていくかのように店から出て行った。


昨日、アヤナちゃんが前に色々あったというのを思い出し、わたしは嫌な予感がしていた。


もし、殴り合いとかなってたら・・どうしよう・・・


来るなと言われた気がしたけど、居ても立ってもいられなくて外にわたしも飛び出した。

愛子ちゃんの制止の言葉も聞かずに。