愛のかたち

そのまま、いつのまにか眠ってしまっていて、気付いたときは4時だった。

バイトは5時から。

わたしは腫れてしまった目に氷をあてて冷やしていた。


冷たい氷はわたしの頭までも冷やしてくれるようにさっきとは違って冷静になっている自分に気付いた。


孝浩くんだって、色々考えてくれてたんだよね。

わたしはあのとき、自分のことばっかり言っていたな・・・。

事の発端はわたしなのに逆ギレしちゃって悪いのはわたしじゃん。

ちゃんと・・謝らなきゃ。

フラれることになっても。


色々考えることができた。



バイトに行くと、みんなに何かあったということを悟られないように明るく振舞った。

俊くんとは昨日、抱きしめられて別れたばっかりという気まずい感じだったけど、忘れているかのように普通に接した。

お客さんもそんなに多くなくて、休み明けということもあって、返却商品がやたら多かった。


わたしはカウンターを愛子ちゃんらに任せて事務所で書き物をしたり、返却を戻したりと色々動いていた。


事務所でCDの紹介文を書いていたときだった。

ドアが開いて、そっちの方角を見ると俊くんが立っていた。

手には紹介文を書く紙。


『店長に・・書いて来いって頼まれた。』

気まずい感じで言う俊くんに

『暇だしね。やろーやろー。』

そう言って隣に座れるように置いていたペンなどをどかした。