愛のかたち

『なんで俊くんが出てくるの?もうほんとにいい加減にしてほしい。』


わたしのほうが呆れてしまってその場を離れた。

友美がいないので帰ることは出来ないけど、孝浩くんのサークルから歩いてきた道と逆をわたしは歩いた。

イラつきと、悔しさ。

1番大きいのは悲しさ。

色々な思いが交錯していた。


俊くんのことが気になるのはわかるけど、わたしは孝浩くんを選んだ。

それを信じてくれないイラつきと悔しさ。

話をしようとせず、帰ったり帰ってという言葉。

目の前でシャッターを閉められた気分になってしまう。


涙が出てきそうになるのをこらえるのがやっとだった。

しかも、孝浩くんは追ってきてもくれない。


トボトボと歩くことしかわたしはできなかった。


心が痛い。

どうして信じてくれないんだろ・・。

悲しいよ。

苦しいよ。


前の恋だってこんな感じだった。

他に言い寄られたことが当時付き合っていた人の耳に入り、責められた挙句、捨てられた。


そのことを思い出し、嫌な予感ばかりまたしていた。


きっと、また捨てられるんだよね。

モテると思うし、大学生同士のほうが話だって合うだろうし・・。

周りは綺麗に着飾った大人っぽい人ばかり。

制服を着ているわたしはガキ言われているような気がしてならなかった。