わたしは声をかけるタイミングがわからなくてたたずんでいた。

でもそれに気付いたのはやっぱり拓也くん。

『おーい孝浩、咲貴ちゃん来てんぞ。』


すっごく大きな声で言った。

孝浩くんはもちろん、他の人までこっちを見た。

もちろんデニムスカートをはいた女も。

すぐにわかる。

きっとあのデニムスカートの女は孝浩くん狙いだろう。

睨んでいた。

こういうのすっごいムカツク。




孝浩くんはわたしに気付いた瞬間、こっちへ歩いてきた。


あんな女のことよりどうしよう・・。

何て言おう・・。

まずおとといのこと謝らなきゃ・・。

どうしよう。

テンパっているわたしに孝浩くんは

『咲貴、来てくれたんだ。ありがとう。』

昨日の恐い顔とは正反対のいつもの笑顔を見せてくれた。

わたしは戸惑いながらも


『ううん、約束だし。あ、昨日ミスコンなったんだよ。』

同じく笑顔を孝浩くんに見せた。


『おーい、孝。もしかしてだけど彼女??』

すると孝浩くんはその声を発した人にそうだけど。と言っていた。


『拓也もだけどお前ら彼女が女子高生てズルくね??』


周りにいた人たちが話しかけ始めた。

男の人ばっかりだけど。

気まずい・・・。


『ってことで俺は彼女に案内してくるわ。』


拓也くんは調子よく友美の手を引いて走って逃げた。

周りが待て!!と叫んでいたが、お構いなしに。