愛のかたち

『尾上・・なんだ・・。』

直哉という人が微妙な表情で呟いた。


何かあるんだろうと思ったけど、気にせずそうです。と言った。

聞いて話が長くなるのめんどくさいし。


『尾上俊と同じ・・バイト？？』

今度はアヤナちゃんが聞いて来た。

わたしはまたそうです。と言うと

『昨日、来てたよね。』

『はい。遊びに来てくれました。』

『俊くんには直哉、ちょっと前に色々あって痛い目あってんのよ。』

そう言うアヤナさんの言葉を遮るように直哉という男が

『テメー、余計な事言うな。』

と叫んだ。



わたしはまた嫌な予感がして、早く帰らなきゃというのが頭の中にあった。

余計なことに巻き込まれそうな予感・・・。

それを察知したのはわたしだけじゃなく

『アヤナちゃん、わたしたちそろそろ・・・』


友美が呟いた。


『尾上に会うなら言っといて。近いうちって。あいつにはまじイライラしてんだよ。』

ニヤけながら言う直哉という男はすごく恐い雰囲気だった。

わたしはペコっと頭をさげて逃げるように公園を出た。



俊くんがケンカなんてするなんて想像もつかなかった。

それよりも直哉という男の言う近いうちという言葉がすごく気になった。

友美は気にしなくていいと言うが、やはり心配でしょうがなかった・・。