『ありえないっつーの！！！！』

ロッカーで愛子ちゃんが大声で言った。

『愛子ちゃん・・・、ロッカーの上、男のロッカーに続いてるから聞こえるんだよ。』

わたしが呟くように言うと同時に

『俺のこと？？』

俊くんの声がした。


愛子ちゃんは声を出しているのか出していないのかくらいの声量で

『はやく言ってよー！！！』

と言った。


『咲貴、下いるから。』

孝浩くんの声がしてその瞬間バンッとドアの閉まる音がした。


そして

『彼、余裕ないみたいだね。』

俊くんの笑いながら言うような声が聞こえた瞬間、またバンッとドアが閉まる音がした。

『ど、どういうこと？』


何も知らない愛子ちゃんに


『俊くんに奪うって言われてる。』


嫌そうに言って出口に向かうと愛子ちゃんは驚いた表情をしながら大げさなリアクションで


『はぁ～！？なにそれっ！！あいつ、いつも不毛な片思いばっかりしやがって・・。バカだねーほんと。』

そう呟やきながら一緒に出口のほうに向かった。