せっかくバイト生が５人になって楽になると思ったのにこの超複雑な四角関係。

めんどくさすぎる・・・

前、孝浩くんと坂上さんと３人でしていたときがよっぽど楽だったような気がしてきた。


カウンターに戻ると愛子ちゃんと孝浩くんが何故かいなくて、坂上さんが俊くんにレジを教えていた。

気まずいわたしは返却商品を戻しに行こうと思って手に取っていた。


『新垣さん、ちょっとこっちいい？俺、１番（トイレ）行ってくるから。』


坂上さんの言葉にわたしは嫌と言う訳にもいかず、はい。と言った。

俊くんに返却をお願いしようと思っていたら先ず話しかけられた。


『驚いた？』

勝ち誇ったような顔で言う俊くんに嫌味っぽく

『ハンパなくね。あんな事言いながらここには愛子ちゃん追ってきたんでしょ？？』

わたしは低い、小さい声で言うと

『いや、咲貴ちゃん追って来たんだし。てか愛子がいるのはさっき入り口で偶然会って知ったからね。まじ偶然だったからびびった。気まずいね、正直。』

そう言って今度はわたしにすごく近づいてきた。

わたしが離れるとわたしの耳元の顔を持ってきて小さな声で


『取り戻すから。絶対。咲貴ちゃんまた絶対俺のこと好きになるよ。』


そう自信満々に呟いてわたしの反撃の隙を与えず

『これ、返してくる。』

そう言って返却商品を持ち、売り場へ行った。


わたしは耳を押さえて、顔は真っ赤で俊くんの後姿を見ていた。